富山ハイキングクラブ (自主企画)
急登、銀尾根の万感大明神山(2082.6m、魚津市)
2006年5月6日(日) 晴れ後曇り、微風
L波間、SL小川、SP佐々、浅野(弘)
コースタイム(波間、小川)
上市役場5:00→片貝第2発電所5:45→南又林道入口6:25→大又橋至近取付き(杉林)7:30→鉄塔7:55→急斜始まり(800m)8:40→
急斜終わり平らな偽尾根(2)との分岐、無用なカンジキを残置(1050m)9:35→1292P10:35→1650〜1750m急斜(最大斜度43度、亀裂多数)→
1853P12:50〜13:00→頂上1350〜14:05→1853P14:30→1750〜1630m下降終了14:50→1292P15:30→1050m分岐16:00→
偽尾根(2)→偽尾根(2)(750m)17:15→支尾根(3)→正尾根(1)取付き18:25→南又林道入り口19:10→片貝第2発電所19:55
ルート図(波間) 赤色は登り、黄色は下り

撮影&コメント(小川)
片貝川は、その上流、南又林道出会い付近で東又谷と南又谷とに大きく分かれる。その分水嶺として大明神尾根が走り、
そのど真ん中に大明神山が毛勝三山の前座として鎮座する。東面は、宗次郎谷と大明神沢、西面は、小沢及び釜谷が
それぞれ突き上げている。昨年6月、南又谷上流の猫又谷雪渓を登り詰めて毛勝三山の一つ、猫又山に達したが、そこから
見た大明神山の余りの急峻さに、ブラックユーモアを感じて、半ば諦めている。
本月3日、中山のコルからクズバ山稜線の偵察にでかけて、最大斜度47.7度(2.5万図のカシミール3D解析による)の
1550〜1600m辺りの雪尾根をピッケル・アイゼンで試みて、可能性が蘇る。 波間さんに計ると、山スキーコースとして
利用されている大明神第2尾根なら、長駆9キロ米は体力勝負だが、尾根上部の最大斜度43.3度も克服できそうだという。
4月29日にこの尾根をピストンした当会熟年氏も「毛勝山を経験した者、そして小川さんなら大丈夫」とヨイショし、ルートの
詳細をアドバイスしてくれる。釜谷から直登した経験を持ち、この山域に詳しい佐々さんにSPをお願いし、前日まで偵察の
疲れが残っていた筆者に代わり、偵察同道の波間さんがLを引受ける。同じくクズバ山の偵察に同道した浅野さんも、紅一
点花を添える。
片貝第2発電所から歩き詰めは辛いが、雪が残る目当ての杉林に取付く。灌木帯に出ると標高800米までは、根曲がり竹
が交差する深い藪尾根漕ぎ、続いて尾根直下、至るところ亀裂が走る雪渓に出る。その急登が1050米の尾根分岐まで続く。
蛇石橋と大又橋の間は小又川が蛇行し、
絶壁、前方は取付きの杉林 小又橋と取付きのデブリ 生々しい親子熊の爪跡

急斜の芽吹きは和み 尾根直下の急登雪渓をピッケルで往く
この分岐で無用のカンジキを残置し、なだらかなブナ平原を、大きな山体、大倉山を背にして往く。1650mから1750mは、
この尾根随一の急斜、ピッケルとアイゼンに一身を託す。帰路は、雪が緩み、先頭を勤めるSPが後退りキックステップして、
後続者の階段を刻むほどだ。これを過ぎると緩やか尾根、360度の眺望を楽しむ。頂上近くの尾根は、雪に隠れた不気味な
亀裂が走っており、踏み抜きを恐れる。
1292P(右端)も近い 登山者の多さは歴然、1192Pを過ぎて 上部急斜尾根全景

大木に五葉松も 1853P付近 1853Pを過ぎた辺り 不気味な亀裂

頂上からの展望は素晴らしい。東は、朝日、白馬と続く後立山の連なり、西から南に、濁谷山、大倉、土倉及び大猫に至る
芦見尾根の山々、早乙女―大日―奥大日と続く稜線、剱岳と猫又山の間にある特徴ある台形は、池平山だそうだ。
毛勝三山では、毛勝山本峰及び南峰に続いて、釜谷山の山体が際だち、猫又山は僅かに見える。北はサンナビキ、駒、僧ヶ岳の
銀嶺が映える。頂上で陽が陰り、早々に立ち去る。
頂上も近い 剱岳(右端)、黒い台形の池平山を挟んで
釜谷山、僅か猫又山 頂上から
頂上で、釜谷山(右)、毛勝山南峰(中央)及び本峰(左)をバックに

帰路を下る 2000m付近 尻セード楽しむ余裕だったが、1292P付近

帰路は標高1050m(標高ほぼ580mが取り付き)まで計画通り順調であったが、1050mは、方向感覚を失い易いやや平らな
ブナ林、そこから尾根は分岐し大又橋に向かう正尾根(1)(復路で左)と蛇石橋に向かう尾根(復路では右、以下偽尾根)
(2)に分かれている。この分岐でカンジキを回収した際にハプニングが起こった。留まらず偽尾根(2)に向かった先頭者を追跡し、
GPSの狂いかも知れないと、構わずやり過ごしたからだ。尾根(2)の藪を避けて、直下の厳しい雪渓縁を伝い、尾根(2)に上が
ったのは、標高800m付近であろうか、厳しい藪漕ぎをして750mまで下る。
偽尾根(2)にも正尾根(1)と同じような鉄塔があり、この尾根(2)は750m付近で正尾根(1)に向かう支尾根(3)を派生し、
偽尾根(1)自身は正尾根(2)とよく似た杉林を経由して、赤い大又橋より数十米下流の白い蛇石橋の橋元に伸びている。
小又川は、大又橋と蛇橋の間を蛇行し、その間は絶壁を呈するから、未経験の偽尾根(2)を途中から排し、偽尾根の分岐750m
付近から支尾根(3)を拾い主尾根(1)の往路に復することにした。
目印の主尾根上の鉄塔及び大又橋を目視、現在地をGPSで確かめながら、更に標高差50m強を、灌木の藪漕ぎに1時間
余りを費やして、雪が残る杉林の往路に復している。
猫又山雪渓は、最近、山スキー好みの全国区になっている。このコースも例外ではなくなりつつある。5月連休に登山者も加
わったであろう、複数名のアイゼン及び壺足跡を認めた。然し、このコースは、決して一般的ではない。生々しい熊の雰囲気と
爪跡も標高800m辺りでは平行した。当会一般には、長駆、健脚、読図、気象、ピッケル&アイゼンの扱い等々を計った上で、
周辺山域を体で知る経験者の同行が望まれよう。