富山ハイキングクラブ (自主企画)
昼闇山 (1840m、糸魚川市)
2008年4月16日(水)、晴
参加者 L小川、波間
コースタイム・トラック図:波間
上市役場5:35→滑川IC→糸魚川IC6:30→焼山温泉→林道除雪終点(温泉から2.3Km、標高620m)7:20〜40→
アケビ平南端(杉の植林が終り潅木帯に、750m)8:00→昼闇谷に下降8:40→昼闇谷1388m地点(斜度が急激に増し、
土砂混じりのデブリ多し)11:30→ピッケルフル稼働、斜度最大46度→昼闇谷から鉢山〜昼闇山稜線鞍部(1800m、昼食)
13:25〜50→昼闇山頂14:10〜25(アイゼン着装)→稜線(1800m)14:45→稜線から昼山谷に向かう尾根に下降開始
(1647m)15:30→往路と合流(1066m、すざましい大雪崩の傷跡、室堂雪の大谷にデブリ堆くの様相、幅15m、全長1Kmを越す)
17:15〜25→カンジキに履き替え→杉植林帯18:10→林道除雪終点18:30→焼山温泉入浴、軽食→糸魚川IC21:10→上市役場22:10

撮影&コメント:小川
一昨年4月4日は、笹倉温泉から南進し、九十九曲がりから降りた台地を流れる火打川のスノーブリッジを渡って尾根伝いに、
空沢山に直登している。そこからの眺望は素晴らしいもので、放山〜空沢山〜火打山と続くたおやかな銀嶺稜線に較べて、
幾つかの崖谷を隔てて西に対峙する烏帽子、阿弥陀、鉢、昼闇、焼山と続く、ゴツゴツした山肌をむき出しにした火山性の山と
崖の多いその稜線は異様であった。その中で、昼闇と焼山が残雪期、我々が登れそうな印象を強くしている。
残雪期の昼闇山への代表的なコースは、アケビ平末端から昼闇谷に下降し、谷を進んで、
1)1040m付近、右からの支谷出会うとこでこれを渡って、尾根に取りつき高見をとり、1600m付近で鉢山〜昼闇山稜線に
乗るコース(西北尾根コースと仮称)
2)あくまでも昼闇谷を進んで、鉢山〜昼闇山稜線の1800m付近に直登するコース(直登コースと仮称)
であろう。直登コースは、スキーヤーが復路に良く使うコースで、「昼闇谷に飛び込む」と称するお椀を真ん中から二つ割った
ような急角度で落ち込むカール状の急峻な雪壁が、標高差約400m(標高1400〜1800m、2.5万図で最大斜度46度)に
及んでいる。 我々は、非スキーで、安全に降下できるか確かめる為に、直登コースを往路に選んだ。
昼闇谷に降りて 1400を過ぎて、カール雪壁からのデブリ帯に突入

デブリ最前線 前烏帽子、烏帽子、阿弥陀を右に見て、一先ず休憩、

焼山温泉からの林道は、2.3km除雪してあり、除雪終末の広い路肩(4〜5台駐車可)に駐車、アケビ平の杉林が終り潅木帯
の尾根の750m付近からトラバースして昼闇谷右岸に下りる。1040m付近は支谷出会い、支谷からのものすごいデブリが本谷
に及ぶ。デブリを迂回して進むが、左右の尾根に遮られてお椀の中にいるようだ。昼でも闇の谷とは、言い得ている。風も冷たい。
標高1400mまで進むと、潅木2本、数箇所からの土砂混じりのデブリがここで留まっている。ここからは殆ど潅木が露出して
おらず、急激に斜度を増す。今朝先行したであろう10本超爪のアイゼン跡がブレもなく規則正しく続いている。かなりのベテランで
あろう。GPSと地図で確かめると正に予定範囲のコースだ。これをトレースする。冷たく感じた風も収まる。間もなく爪跡は4本に変
わる。蹴り込んでステップをとり歩を進めているからだ。我々はピッケルをフル稼働、片方の手も雪壁に突っ込んで身を支える。
標高1650m付近で、斜度は30度を越し、30センチ余りの亀裂が相次いで2本走る。中を覗くと深さ1.5m、小潅木が、敷き詰
められており安堵して渡る。稜線直下にも亀裂が2本あり、間違えば、標高差400mの滑落は必須、多数のデブリ、亀裂、雪崩
誘発を思うと戦慄が走る。
スワー熊かい? 実は蹴り込んだアイゼン爪跡

そして亀裂 身震いする急斜

周囲の雪面をピッケルで確かめるとゴツンとくるところが数箇所あり、崩れた大きな雪塊がここに鎮座していると感ずる。
亀がはしごを昇るように歩を進めて、漸く平らな稜線に出た。標高差400m、腰を下ろすことは出来ず、2時間を休まず
登り続けたことになる。振り返ったが、スキーで飛び込んだ様子はなく、大方のスキーヤーも尾根コースを復路にしてい
るようだ。稜線に出ると闇の世界から眩しい世界へ、開放感に浸った。
焼山をバックに、頂上に立つ 鉢山への稜線にも亀裂 厳しい鉢山(右)への稜線

振り返れば ここを過ぎた裏に西北尾根?

セッピの下に西北尾根 広い西北尾根にスキー、足跡が混じる

昼闇山頂からの視界は、360度、鉾ヶ岳・権現岳―放山―空沢岳―火打山の山並、金山、天狗原山、雨飾山、鋸岳、鬼ヶ面山、
駒、近くに、鉢山、阿弥陀、烏帽子、前烏帽子が見え、焼山がすぐそこにあった。
頂上から北に伸びる尾根稜線に向かう足跡があり、大廻りして昼闇谷末端、又はアケビ平南端に至ると見られる(東北尾根コース
と仮称)。
我々は、西北尾根を復路にする。1800m辺りからの稜線は、細尾根で急斜、潅木も少ない。ピッケルで確かめながら降下する。
1650付近の崖尾根で斜度は弱まる。平らな尾根筋に従ったが、50mほど行き過ぎたことに気づき、薄くなったスキー跡、足跡を
手がかりにし、位置をGPSで確かめて稜線から目指す尾根に飛び込んだ。この西北尾根は西進する稜線のセッピ崩れから一段
下にあって、目立たず見過ごし易い。西北尾根は広くて、緩やかだ。左右の眺望を堪能しながらおもむろに下る。尾根の右下を遠く
見やると、ブルが除雪したような光る道筋が見える。支谷に下りて驚いた。遠望して道と錯覚したのは、大雪崩が、支谷の積雪を
雪の大谷(室堂)のように垂直に切り取って流れた後であった。両岸にデブリを堆く放り上げ、岩のような雪の角張った塊を谷に残し
ている。幅15〜20m、全長は少なくとも1kmに及んでいる。これをくぐりぬけ往路に合流した。
大雪崩の傷跡 本谷にも溢れだした大雪崩

焼山温泉に着いて日が暮れる。熱い笹倉温泉に較べて、焼山温泉はぬるめでほど良く身体をほぐしてくれる。
同温泉名物のラーメンも格別であった。「あっさり味にしてあるのよ。」と女が応えた。
以上